「エンニオ・モリコーネ・オフィシャル・コンサート・セレブレーション」終演しました。本日は昼夕2回公演でした。「本番」に付き物のハプニングはあったものの、無事に終わりました。楽しかった。

学びも多く。以下、業務上、いや音楽上の気づきがたくさんありました。今回はクリックを使用しての演奏だったのですが、このクリックに合わせるという作業が一般的にクラシック専門?クラシック上がり?の奏者は苦手であります。これを前提に思ったこと、以下に書きます。それに加えて今回は楽器にマイクを装着しての演奏、これです、問題はここ。昨日の本番では実は熱演のあまり(指揮者、奏者ともに)クリックとのズレが生じ、あわわわわとなった箇所があったのですが、まぁなんとか大事には至らずことなきを得ました。マイクがあるので、生音の時のように楽器を鳴らそうとか遠くに飛ばそうという技術はこの際要らないということ、手元のマイクが拾った時に美しい音と、正しい「タイミング」、つまり「発音」だけが必要なのでは?というのが気づきの一つ目。そしてもう一つは、このクリックなんだけど、私たちに身近なカンジでいうとこれは「メトロノーム」です、ドンカマ(どんどん構わずにいく)です。こういった劇版(映像に合わせる)とか、ポップスものの時にはビタっとこのドンカマに合わせる技術が必要なのですが、そもそも我々アコースティック中心奏者はそれに慣れていない。下手をすると、「自分固有のテンポを(個性を!)『無為に』矯正する可能性があるので、メトロノームでの練習はあまり、、、」なども聞いたことがある。ですがね、私よく合奏していてギモンに感じているんですが、往々にして各々のテンポの感じ方にはかーなーりの差があるもののようなんですね。それをどう解決、消化するのかというのが長年課題ではあるんですが、今日ちょっと見えたのは、テンポのモンダイというより、やはりスタイルとかリズムの感じ方のモンダイかな、と。いわゆるノリ、ってやつ。その様式、そのスタイルに促して徹底してやるってのが肝かな、と。「クラシック」でだってベートーヴェンとチャイコフスキーでは音の出し方、変えるものね。何が素晴らしかったって、有名な「ニュー・シネマ・パラダイス」の出だしにピアノのソロがあったのですが、クリックにピッタリ合いながらも「揺れる、歌う」の。ピッチョーニさんの妙技でした。正しいクリックの使い方をみた(聞いた)気がした。テンポってこういうもの、をみた(聞いた)気がした。誰かにとか、クリックにとかに「合わせる」のではなくて、クリックというある意味無機の存在とも音楽してしまう瞬間を見た(聞いた)のでした。

ていう、有意義な時間でした。あとマエストロ(エンニオのご子息アンドレア)が父上の音楽に対峙し、その愛と尊敬のパワーからだろう「よい氣」を放っておられて、とてもよかった。この日本公演を皮切りにワールドツアーとのこと、素晴らしいコンサートが続きますように!

明日は早起き。

おやすみなさい。よい夢を。

tacaco

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