とてもそうは見えないのだが還暦だそうだ。前半はくっきりした黄色の、後半はブルーのゴージャスなドレス、スリムなスタイルも変わりなく美しい。プレトークでは、天才少女と謳われながらもヴァイオリニストとしての自身に疑問を抱き一度は演奏活動を断念しようとしたこと、そこから見事な復活を果たすきっかけとなったエピソードなども語られた。何事にも真摯で誠実に当たられることがわかる、そして理知的で品のある語り口。演奏と同じだ。私などが僭越を承知で言うが、どんどん進化しておられるように思う。千住真理子さん、大好きなアーティストだ。

前半はお兄さまである千住明氏の作品を中心に。闘病中のお母様のために書かれたという「ララバイ」、独特の揺蕩うような和声に溢れた大曲、ヴァイオリン協奏曲「リターン・トゥザ・フォレスト」、そして羽田空港第二旅客ターミナルで流れているという「四季」から春と夏。前半最後はお手のもののヴィヴァルディの「四季」からやはり春と夏。千住氏の春はしっとりとした質感の程よい湿り気のあるそれで、ヴィヴァルディとの対比としても妙。また夏は8分の6拍子で、ちょっとボサノヴァっぽいハーモニーがとてもお洒落。

後半はショーソンのポエムとメンデルスゾーンの協奏曲、堂々たる名曲を並べた素晴らしいプログラムだ。アンコールには明氏の大河ドラマ「風林火山」の紀行テーマ「大河流々」。今回も作品への愛とリスペクトに満ち、力強くも繊細なタクトでリードくださった岩村力マエストロにも感謝。

楽屋裏には千住真理子さんの差し入れの軽井沢ビール、缶のデザインはもう一人のお兄さま、日本画家の千住博氏によるもの。会場では同じくお兄さまの手になるストラドが描かれたトートバッグが販売されており、開演前にホワイエへ抜け出し購入。

よき一日に感謝。

明日はミーシャ再び。

おやすみなさい。よい夢を。

tacaco

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