日頃からお世話になり、憧れ尊敬する伊藤芳子さん主宰のギャラリー「美竹遊民舎」へお邪魔した。版画家・山高登氏のプライベートギャラリー。渋谷の賑わいからそう遠くないにもかかわらずの落ち着いた街角、オシャレなブティックやカフェがポツリポツリと佇む程よい活気のある一角。展示されている作品たちはもちろん、丁寧に整理されたたくさんの版画や写真、そしてそれらの掲載された貴重な当時の雑誌などを拝見しながら、伊藤さんと山高氏の、そしてさらにそこから広がりつつある数多の数奇なご縁、また新潮社の編集者でもあられ様々に造詣深い山高氏の作家さんたちとの交友、由緒ある山高家三代の歴史などたいへん興味深いお話をたくさん伺う。ご交際範囲が広く、お話も上手な伊藤さんとご一緒できる時間はゆったりと楽しく学ぶこと多く好奇心を刺激されることばかり。密かな「パワースポット」と名高い空間、「よい気」をたくさんいただきました。ありがとうございます。

版画というものがどのように実際に制作されるものか、全くの無知だったので色々質問を。なんと手間のかかるものなのか!原板?を見せていただいてびっくり!一つの作品にいくつもの構図を掘り、それに色を重ねてゆく。ちょっとズレても失敗だし、重ねた色が、全体のバランスがどうなるのかのイメージも確固たるものでないとあのような繊細な色合いは出まいと思うと、しかも、山高氏は刷るのもご自身でされたとのこと、気が遠くなるような製作過程だ。膨大な数の丁寧な仕事に敬服。芸術に、未熟ながら関わる者として僭越ながら自分も斯くありたい、と。。そして変わりゆく東京の街を愛しんだ山高氏の、見る者の心を温かく掴む「視点」に感動した。

世界があった。

いただいた画集で。もう一度、反芻して寝みます。

おやすみなさい。よい夢を。

tacaco

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