バッハの無伴奏チェロ組曲全曲演奏会を聴きに。会場のNAMHALLは平安神宮、岡崎神社からほど近いビルの地下、こぢんまりとした落ち着ける空間。今日の演奏者である村上曜さんのレクチャー付きのコンサート、「多才」な氏のXでのご発言をいつもとても興味深く読んでいて、この度はなんとバッハ全曲!ということで馳せ参じた、というわけ。一曲ずつお話をされて第1〜3番まで、休憩を挟んで後半も、という流れ。後半第5番は変則調弦なのと、第6番は楽器を5弦に替えるため(「ローソンに行けるほどではない」w)小休止。3時間ほどの演奏会。だが、全く長く感じなかった。
1〜6番までの流れが、敬虔なクリスチャンであったバッハによる「キリストの生涯」であると読み取れること、随所に隠された「十字架(音形)」、数字のこだわり、調性や旋法の持つ意味、修辞法的な考え方、聖書との関連などなどなど、とても興味深いことばかりで必死にメモを取りながら聞いたw これから整理する。
太極拳を参考に「疲れない弾き方」を研究されたとのことで、全曲弾いても肉体的な疲れはそれほどないのだそうだ。ふむふむ。いや、そのせいか聞いている方も疲れませんでしたよ。なんというか、無理のないラクな音の出し方で語られるので、聞く方も気張らなくていいのだ。バッハ、殊に無伴奏には「独り言」「自問」「祈り」みたいなイメージがあり、氏の演奏はその意味でもとてもすんなりと心に入ってきた。余分な自己主張が一切無いし。強いて言えばバッハとの対話を目撃している気分で、とてもよい時間だった。斯くありたし。。「バッハや当時の人たちが何をどう考え書いたのかを知って弾きたい」という氏の言葉に深く共感、またその研究を弛まず続け成果を出されていることを尊敬する。次回の「全曲」も楽しみに。
そんな充実の時間の前には近くの平安神宮をお参り、散策。お社を周る神苑は、桜はもちろん枕草子や源氏物語に語られる木々や花々が美しく、行き届いた手入れが施されていて、いっぱいの観光客で数珠繋ぎになりながらの順路を追う慌ただしさではあったけれど、楽しめた。
コンサートの後、急いで宿へ戻り、預けていた荷物をピックアップして新幹線に乗り、先ほど帰宅。
よき一日をありがとうございました。
さて、寝る。今日は18,000歩。。。。
おやすみなさい。よい夢を。。。。